「なるほど、ブラウンシュヴァイク公は不運な人かもしれない。だが、その人に未来を託せねばならない人々はもっと不運ではないのか・・・・・・」(第2巻・239頁)
メルカッツからブラウンシュヴァイク公の“病気”について説明されたときの、シュナイダーの独白。犯罪の加害者の過去から悲惨な家庭環境が浮かび上がり、そのスポットライトの影に被害者が隠される、という図式である。われわれが忘れがちな、このシュナイダーの一言かもしれない。これをそのまま適用してみよう。「なるほど、犯罪の加害者は不幸な人かもしれない。だが、その人に未来を奪われた被害者とその家族はもっと不幸ではないのか・・・・・・」
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