「人間には現在はむろんたいせつですが、どうせなら過去の結果としての現在より、未来の原因としての現在を、よりたいせつになさるべきでしょうな」(第3巻・280〜281頁)
ヘンスロー弁務官を手玉に取っているときのケッセルリンクの言葉。単なるレトリックのようにも聞こえるが、常に前向き、その時その時で考えられるベストの選択をするということであろう。もっとも彼自身は、そのような広い選択肢を交渉相手(例えばヘンスローのような)には与えはしないが・・・。過去を大事にするヤンとは好対照をなすようにも見える。
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