あとがき

 ある程度予想されたことではありますが、ヤン・ウェンリーの言葉が突出して多い。こうしてまとめてみると、その量的な差に驚きを禁じえません。彼の死後にまで重要な語句が連なっているのを見ると、作者にとってこの人物がどれほどの位置を占めているかがわかります。
 この「名言集」をまとめていくうちに、現時点での民主政治の優勢が明らかになってきたように思いますが、もしかしたら民主政治でも専制政治でもない、もっと優れた政治体制もあるのかもしれません。歴史上さまざまな国家と、それに付随する政治体制の興亡がありました。時代や地域の特性によって、その国家や社会に適した政治があるという可能性もあると思います。そのあたりはまさにヤンのように、柔軟な思考によって考えていくべきなのでしょう。

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